エコキュートの消費電力はどれくらい?電気代の節約方法やお得に使うコツを伝授
あるいは「オール電化が気になっている」「エコキュートって本当にお得?」とお考えで、消費電力や電気代に関する情報をお探しでしょうか?
この記事では、エコキュートの仕組みや特徴をふまえて、電気代の節約方法やお得に使うコツをお伝えいたします。
エコキュートの電気代を詳しく知りたい方、光熱費をもっと安くしたい方、給湯器の交換・買い替えをご検討中の方、お役に立つ情報満載ですので、どうぞ最後までご覧ください。
この記事を監修したエコキュートの専門家
キンキュートー
日向 準(ひむかいじゅん)
給水装置工事主任技術者(第 267069 号)
第二種電気工事士(東京都 第 209331 号)
株式会社RSXの「キンキュートー」で、エコキュートの修理・交換工事を担当。ブログでエコキュートに関する様々な疑問とその解決方法を、国家資格を持ったプロとして詳しく解説。
エコキュートの消費電力は一般的な機種で1.0kW〜1.5kW
エコキュートの消費電力は、一般的に1.0kW〜1.5kWといわれています。これは、一般地型3〜5人家族向け容量370リットルの貯湯タンクを想定した場合で、機種やタンクの容量によって異なります。
そして、気候によっても変動します。
エコキュートの構造を知ると、その消費電力への理解も深まりますので、はじめに、エコキュートがお湯を沸かす仕組みについて、解説します。
エコキュートは大気中の熱を利用してお湯を沸かすから、電力消費が少なく、効率がいい
エコキュートは、ヒートポンプ技術によって、お湯を沸かします。これは、空気中の熱を利用する技術のことで、エアコンなどにも活用されています。
TEPCOのWEBサイトによれば、「「ヒートポンプ」は大気中などの熱を集めて移動させるシステムです。電力は熱を運ぶ動力として使うため、少しの電力で大きな熱を利用することができます。」と説明されています。
エコキュートは従来型の電気温水器に比べ消費電力が約1/3
従来型の電気温水器は、機械を動かす動力だけでなく、水を温めるためにも電力を使います。
エコキュートは、ヒートポンプの動力に電気を使うだけで済むため、消費電力は1/3程度といわれています。
エコキュートの消費電力は気候によって変動し、夏より冬のほうが消費電力が大きい
ただ一方で、大気中の熱を利用するヒートポンプの効率は、気温の高低に影響を受ける、という一面もあります。
気温が高いほうがエネルギー効率がいいため、夏場に比べて冬場は、消費電力が大きくなります。
たとえば、三菱エコキュートSRT-P376B(一般地向け・370リットル)で確認してみると、仕様書には「中間期の消費電力が0.98kW」、「冬期の消費電力が1.53kW」と記載されています。(中間期とは、冬期以外を指します)
冬期は気温も水温も低くなります。それ以外の時期に比べて、約1.5倍の消費電力が、必要になるのですね。
エコキュートの消費電力を理解するためのポイント
- 電気と大気の熱の併用する
- 少ない電力で効率的にお湯を沸かせる
- 大気を利用するため、消費電力は気候によって変動する
「ワット(W)」「キロワット(kW)」「kWh(キロワット・アワー)」は電力量の単位、「アンペア数(A)」は一度に流れる電流を表す
「ワット(W)」「キロワット(kW)」「kWh(キロワット・アワー)」、そして「アンペア数(A)」。
「ワット(W)」「キロワット(kW)」「kWh(キロワット・アワー)」は電力量を表し、「アンペア数(A)」は一度に流れる電流を表します。
見慣れない方もいらっしゃるかもしれませんので、消費電力にまつわる、これらの単位について説明します。
「ワット(W)」とは機器を動かすときに必要な電力を表す単位
「ワット(W)」とは機器を動かすときに必要な電力を表す単位で、「キロワット(kW)」「メガワット(MW)」「ギガワット(GW)」の3種類があります。
- 1Kw=1,000W
- 1MW=1,000kW
- 1GW=1,000MW
一般的なエコキュートの消費電力「1.0kW〜1.5kW」をワットに換算すると、「1,000W〜1,500W」ということになりますね。
「kWh(キロワット・アワー)」は1時間当たりの電力量を表す
次の第2章の先取りとなりますが、「kWh(キロワット・アワー)」も電気量を表す際に使います。
「一定時間に使用した場合の電気量」を把握するのに便利です。
例えば、よくある500Wの電子レンジを使用した場合で考えてみます。
1時間使った場合:500(W) × 1(h) = 500Wh=0.5kWh
2時間使った場合:500(W) × 2(h) = 1,000Wh= 1kWh
「アンペア数(A)」は一度に流れる電流を表し、エコキュートのアンペア数の目安は15〜20A
電化製品を扱っていると、アンペア数で表現するときもあります。「アンペア数(A)」は、一度に流れる電流を表します。
家庭で、同時に使える電化製品を計算するときなどに使いますね。
エコキュートは、アンペア数で表現すると、15A〜20Aが目安だといわれています。
消費電力とアンペア数
消費電力とアンペア数の関係ですが、TEPCOのWEBサイトによると、「アンペア数(A)は、「100Wで1A、1,000W(1kW)で10A」とお考えください(100Vの場合)。」と説明があります。
冒頭で、「一般的なエコキュートの消費電力は1.0kW〜1.5kW」とご紹介しましたが、これをアンペアに換算すると「10A〜15A」。タンク容量がもっと大きい場合も想定し、目安としては「15A〜20A」と表現されているのですね。
オール電化住宅では、契約アンペア数を検討する場面がありますので、アンペア数の知識もあると、便利です。詳しくは、第4章「エコキュートの上手な使い方」でご説明します。
電気代は「消費電力(kW)×使用時間(h)×電力量料金(円/1kWh)」で計算する
続いて、消費電力と電気代の関係をみていきましょう。
電気代は「消費電力(kW)×使用時間(h)×電力量料金(円/1kWh)」で計算されます。
ですので、エコキュートの電気代には、消費電力の他に「エコキュートを使う時間」「どんな料金プランにするか」という要素も影響します。
エコキュートの1ヶ月の電気代は、地域によって差がある
エコキュートの1ヶ月の電気代は、地域によって差があります。具体的に、確認してみましょう。
パナソニックのシミュレーションによればエコキュートの電気代は、全国で、月平均約1,700円〜4,500円となっています。
- 北海道電力エリア:約4,500円
- 東北電力エリア:約4,000円
- 東京電力エナジーパートナーエリア:約3,100円
- 北陸電力エリア:約3,100円
- 中部電力エリア:約2,100円
- 関西電力エリア:約1,700円
- 中国電力エリア:約3.600円
- 四国電力エリア:約3,700円
- 九州電力エリア:約1,700円
- 沖縄電力エリア:約2,300円
エコキュート各社の光熱費シミュレーション一覧
タンク容量を加味してシミュレーションできるサイトもありますので、エコキュートメーカー各社の光熱費参考ページを一覧でご紹介します。
メーカー | シミュレーションページ |
三菱電気 | 給湯光熱費かんたんシミュレーション |
パナソニック | 低ランニングコスト |
日立 | 給湯光熱費かんたんシミュレーション |
コロナ | コロナエコキュートの特徴 |
ダイキン | 電気料金について |
東芝 | 電気料金比較シミュレーション |
エコキュートの電気代を抑える3つのポイント
エコキュートの電気代を抑えたい場合、「かさむ原因」を改善することで、コストダウンにつながります。
エコキュートの電気代がかさむ3つの要因
- 電気料金プランが利用状況に合っていない
- 日中の沸き増しが多い
- 節約機能を活用していない
これらを見直してみましょう。順にご紹介していきます。
電気料金プランを見直す
エコキュートをご使用の場合、エコキュート向けの深夜電力プランを利用されるケースが多いと思います。
夜間電力は安く利用できますが、日中の利用では割高になるのが、このプランの特徴ですね。
ところが、「日中にもたびたび沸き増しする」「エアコンの利用量が増えた」「リモートになり、日中も家で過ごす人数が増えた」など、想定していた利用の状況と変わってきた点はないでしょうか?
改めて、「どの時間帯に一番電力を使うのか」という視点で現状を点検してみて、ご家庭の利用状況に一番フィットするプランになるよう、見直すことをおすすめします。
日中の沸き増しを減らせるよう、状況に応じて設定を最適化する
エコキュートの便利な機能は、一定にするのではなく、状況に応じて設定を最適化しましょう。
湯切れを避けるように使う
エコキュートの湯切れによる沸き増しは、電気代がかさみ、非効率です。
「夜間沸き上げの設定をし、日中は、そのお湯でまかなう」という基本を、まずは再確認してみましょう。
あるいは、「湯切れ防止機能」の停止です。
この機能が働くと、エコキュートが湯切れを検知して、自動でお湯を沸かします。
便利な機能ではありますが、オフにして日中の沸き増しをなくすと、コストダウンが可能です。
あとは、最後の手段ですが、タンク容量をワンサイズ上にする方法もあります。次に交換する際などに、検討してみるといいかもしれません。
季節や時期に合せた湯量設定で、沸き増しを防ぐ
季節や気候によって、使用するお湯の量は変化します。
エコキュートが夜間に沸き上げする湯量は、リモコンで調節できます。
湯量は、一般的には夏場は少なめ、冬場は多めになることが多いです。ですので、沸き上げの湯量は、一定にするのではなく、季節や時期に応じて設定するようにします。
必要以上には沸かさず、日中お湯不足にならない量は確保する、という地道な方法ですが、適宜、設定を最適化して使うことが、電気代の節約につながります。
「リモコンで、毎日のお湯の使用量をチェックする」という習慣が身に付くと、節約意識が高まりますよ!
エコキュートの節約機能を活用する
省エネのほうが電気代の節約につながりますので、エコキュートの省エネ・節約機能を活用しましょう。一覧にまとめました。
メーカー | 節約・省エネ機能 |
三菱電気 | 省エネ制御 |
パナソニック | おまかせ運転で省エネ |
日立 | 省エネ |
コロナ | 節約・快適機能 |
ダイキン | 空気のプロが伝えるエコキュート節約術 |
東芝 | 東芝の省エネ技術 |
なお下記記事では、2023年版最新モデルの省エネ性能をご紹介しております。
「2023年版 エコキュートおすすめメーカー比較 最新モデルの省エネ性能は?」
自動保温、追い焚きをしない
エコキュートには便利な機能も多いですが、注意点もあります。
フルオートタイプのエコキュートには、お湯を張ったあとの「自動保温」が可能です。
お湯の温度をキープしてくれる点は便利ですが、その間、タンクの中のお湯を消費します。
また、ぬるくなって、お湯を温め直すときは、追い炊きではなく、浴槽のお湯を少し抜き、高温の足し湯をするほうが、少ないお湯で済みます。
エコキュートの上手な使い方
エコキュートの選び方や、どんなふうに暮らしをデザインするかによっても、省エネや節約を実現することが可能です。
家族やライフスタイルにあったタンク容量を選ぶ
家族構成やライフスタイルと照らし合わせながら、最適なタンク容量を選ぶことは、とても大切です。
節約の観点でいえば、湯量が不足すれば「沸き増しでコスト増」となりますし、大きすぎる場合も「ランニングコスト増」になります。
貯湯タンクの選び方
メーカー・機種ごとに容量のバリエーションがありますが、一般的な目安は下記となります。
- 370リットル/3~5人家族向け
- 460リットル/4~7人家族向け
- 550リットル/7~8人家族向け
なお、タンクの容量に比例して、設置スペースの確保も必要です。サイズアップする場合は、幅、奥行きともにプラス20cm程度の余裕をもっておきましょう。
貯湯タンク設置スペースの目安
一番多く販売されているタイプがタンク容量370リットルで、サイズとしては「高さ180cm、幅60cm、奥行き70cm」ほどです。ヒートポンプは「高さ70cm、幅50cm、奥行き60cm」ほどです。貯湯タンクは、ご自宅の壁から70cmほど距離をとって設置します。
大型のタンクになると「幅70cm、奥行き80cm」くらいです。
設置場所の確保が気がかりなときは、薄いタイプやコンパクトなものを検討することが可能です。ただし、出荷量の違いもあって、価格は薄型のほうが高いです。
薄型は、長方形に伸ばしたような形で「高さ180cm、幅110cm、奥行45cm」ほどで、壁にくっつくように配置できます。
年間給湯保温効率の高い商品を選ぶ
「年間給湯保温効率」は、省エネ性能を表す数値です。
「年間給湯保温効率」とは、日立のWEBサイトによると、「日本工業規格であるJIS C 9220:2011」に基づくもので、「ヒートポンプ給湯機を運転した時の単位消費電力量あたりの給湯熱量および保温熱量を表したものです。ふろ保温機能のあるもの(フルオート)が対象」とあります。
ちょっと難しい表現ですね。簡潔に表現すると、「年間給湯保温効率が高い商品ほど、エネルギー効率が良い」という意味になります。
つまり、「年間給湯保温効率が高いものほど、電気代を抑えることが可能」という訳です。
エコキュート各社の年間給湯保温効率の比較
年間給湯保温効率は、目安としては、「0.1変わると年間約1,000円の差が生じる」といわれています。
エコキュート各社の「年間給湯保温効率」は、2.7〜4.2のあたりに分散しています。機種それぞれの、スペックの箇所に記載されていますので、フルオート型をご利用、あるいはご検討中の方は、ぜひ注目してみてください。
下記は、各社の製品紹介ページの一覧です。
メーカー | ラインナップ/年間給湯保温効率 |
三菱電機 | 製品ラインアップ |
パナソニック | 商品ラインナップ |
日立 | 商品ラインアップ |
コロナ | 製品一覧 |
ダイキン | ラインアップ一覧 |
東芝 | エコキュートを選ぶ>フルオート |
オール電化住宅でエコキュートを使う
ご自宅をオール電化に切り替える際に、エコキュート導入を検討する方も多いのではないでしょうか。
光熱費を電気に一本化できますが、その分、電気代は高くなります。そんなとき、消費電力を従来の電気温水器の1/3〜1/4程度に削減することが可能といわれるエコキュートの省エネ性は、大きな利点となります。
オール電化住宅でエコキュートを使う際は、アンペア数の上限設定に注意する
オール電化でエコキュートを使う場合は、アンペア数の設定に注意が必要です。
電力会社と契約する「アンペア数」が、「家庭で一度に使える電化製品の上限」となります。ブレーカーが落ちないように、使用する上限を満たすアンペア数を設定しましょう。
代表的な電化製品と消費電力の目安
「主な電気機器のアンペアの目安」をご紹介します。
インバータエアコン(冷房) | 5.8A、立ち上がり時14A |
インバータエアコン(暖房) | 6.6A、立ち上がり時20A |
電気カーペット | 1/2面4A、全面8A |
テレビ | 液晶42型2.1A、プラズマ42型4.9A |
掃除機 | 弱2A、強10A |
アイロン | 14A |
ヘアードライヤー | 12A |
冷蔵庫 | 2.5A |
電子レンジ | 15A |
IHジャー炊飯器 | 13A |
IHクッキングヒーター | 20A〜30A(最大使用時58A) |
食器洗い乾燥機 | 13A |
ドラム式選択乾燥機 | 洗濯時2A、乾燥時13A |
エコキュート | 15A〜20A |
※TEPCO_WEBサイトより
オール電化住宅にエコキュートを導入する際は、60A〜100A程度必要
他の電気機器と比較すると、エコキュートはアンペア数が高く、15A〜20Aです。
アンペア数の設定は、家族構成やライフスタイルに照らし合わせて、考えます。
たとえば、IHクッキングヒーターは20~30A、電子レンジは15Aが目安。エコキュートも併せて使用する場合は、使い方にもよりますが、60A〜100A程度が安心できる容量だといわれています。
なお、新規でエコキュート導入する際は、設置のための専用電源工事も必要ですので、アンペア数の設定とともに、電力会社や専門会社にご相談するなど、ご注意ください。
太陽光発電とセットで使う
太陽光発電があると、日中、その電力をエコキュートの沸き増しに使えます。
このように、太陽光発電はエコキュートと相性が良く、エコキュートのコスト増の主要な原因の一つである、日中の沸き増しを防ぐことが可能です。
キンキュートー
この記事では、エコキュートの消費電力や、電気代の節約方法、お得に使うコツをお伝えしました。
エコキュートをお使いの方に「エコキュートでよかった」と思っていただけたり、交換・買い替えイメージが明確になったり、まだエコキュートを使ったことがない方の興味のきっかけになったなら、嬉しく思います。
キンキュートーは、エコキュート交換の専門会社です。「省エネ性能の高いエコキュートを使いたい」など、お客様のご要望に寄り添い、最高の一台を見つけるお手伝いをいたします。
ちなみに、使い方にもよりますが、エコキュートの寿命は一般に10年程度といわれています。
経産省の「給湯省エネ事業者」の登録業者であるキンキュートーは、工事費・出張費・撤去費・廃棄費すべて込みの378,000円~で、エコキュートの交換を承ります。最初にご状況をヒアリングしてお見積もりを行い、お見積もり後の追加請求は一切ありません。
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