エコキュートの室外機(ヒートポンプユニット)の基本の知識とお悩み解決方法を解説
こんにちは!キンキュートースタッフの中田です。
この記事では「エコキュートの室外機」について解説いたします。
具体的には、
- 「エコキュートの室外機」って何?
- 「エコキュートの室外機=ヒートポンプユニット」の仕組み
- 室外機の運転音や騒音対策
- 室外機の設置に必要な知識と場所の選び方
- エコキュートの異音や水漏れなど、トラブル対応方法
など、基本的な知識やお悩み解決方法を、お伝えしていきます。
この記事が、「エコキュートの室外機(ヒートポンプユニット)の疑問や不安」の解消に役立てば、嬉しく思います。
それでは、さっそくはじめてまいりましょう!
この記事を監修したエコキュートの専門家
キンキュートー
日向 準(ひむかいじゅん)
給水装置工事主任技術者(第 267069 号)
第二種電気工事士(東京都 第 209331 号)
株式会社RSXの「キンキュートー」で、エコキュートの修理・交換工事を担当。ブログでエコキュートに関する様々な疑問とその解決方法を、国家資格を持ったプロとして詳しく解説。
エコキュートとは、貯湯タンクとヒートポンプ(室外機)で構成される、エコで経済的な給湯器
エコキュートとは、空気の熱を利用して効率よくお湯を沸かせる、エコで経済的な給湯器の愛称です。
ヒートポンプユニット、貯湯タンクユニット、操作パネルの一式で構成され、ヒートポンプと貯湯タンクは、基本的に屋外に設置します。
このヒートポンプは「室外機」とも呼ばれます。(下記左:ヒートポンプ、右;貯湯タンク)
※三菱電機>エコキュートとは?より画像を引用
エコキュートは、ヒートポンプ技術により空気の熱を利用して、効率よくお湯を沸かす
エコキュートは、電気で直接お湯を温めるのではなく、ヒートポンプ技術により、空気の熱を利用してお湯をつくります。
ヒートポンプ技術は、エアコンや冷蔵庫などにも採用されている技術です。
この、ヒートポンプ技術は、エネルギー効率が高いのが特徴。
「1の電気エネルギーから3の熱エネルギーを取り出す」と言われてます。
つまり、
「より少ない電力でお湯を沸かすことができるから、環境に優しく、経済性が高い」
ということです。
家庭でかかる光熱費のうち、3割が給湯費用だといわれています。
だから、エコキュートを使うことで、光熱費の節約効果が期待できるのですね。
エコキュートが支持を集めるポイントです!
★こちらの記事では、ヒートポンプ技術やエコキュートについて、詳しく解説しております。
「エコキュートとは?エコで省エネな理由、メリットとデメリット、節約や購入方法を解説」
ヒートポンプと貯湯タンクは、屋外に設置するのが基本
ヒートポンプと貯湯タンクは、屋外に設置するのが基本です。
ヒートポンプユニットは、仕組み上、マイナス10度に近い冷風が吹き出します。そして、冷媒には二酸化炭素が使われており、万が一ガス漏れを起こすと、二酸化炭素中毒の危険があります。
したがって、屋外に設置しなければなりません。
貯湯タンクも、屋外設置を基本とした設計がされています。
貯湯タンク下部の配管は、カバーで覆う
なお、貯湯タンク下部の配管が見える箇所は、カバーで覆う必要があります。
「脚部カバー」としてメーカーが用意しているので、それらも併せて購入・装着します。
※Panasonic「【エコキュート】脚部化粧カバーの外し方、つけ方」より画像を引用
価格の相場は、1〜2万円で、メーカーや機種により幅があります。
3つの役割があります。
脚部カバーで、周囲から、貯湯タンク下部や配管を保護する
脚部カバーは、汚れや被害からエコキュートを守る役割があります。
地面に近い部分のため、砂や泥、石、葉っぱなどの植物、埃などを巻き込む恐れがあります。
また、猫やねずみ、イタチ、小動物に、いたずらされないとも限りません。
配管が露出したままでも機能はできますが、カバーで覆っておくほうが、好ましいといえます。
冬場の配管凍結を予防する
寒冷地に限らず、冬場は配管凍結のリスクがあり、脚部カバーは配管凍結の予防にもなります。
なお、大事な配管の凍結予防には、保温材などの配管カバーを取り付けて、配管を守りましょう。
大寒波が襲来するときや、極寒の冬の寒い朝も安心です。
地域や環境に応じ、エコキュートの寒冷地対策を行い、備えましょう。
エコキュートの外観を美化する
エコキュートの下部は、複数の配管が縦に並んだ状態です。
ちょっと、ごちゃついてみえます。
しかし、カバーがあれば、スッキリ。
剥き出しよりも、美化することができます。
こうしてみると、最初から脚部カバーも製品一式になっているといいように感じますが、メーカーでは、別売り・オプションという扱いになっています。
ガレージなど、半屋外のようなスペースでは特に心配が少ない、気にしない人もいる、というのが、その理由のようです。
エコキュートの室外機(ヒートポンプ)からは運転音が発生するため、騒音対策を考えて設置する
エコキュートの室外機(ヒートポンプ)が運転する際は、音が出ます。
エコキュートの室外機(ヒートポンプ)から出る音の種類
エコキュートが作動しているときは、エコキュート内部のモーターが作動する低周波音や、加熱の音、水が流れる音、ポンプやバブルの音などが発生します。
メーカーのサイトでは、実際に音を聞くことができますので、ご紹介します。
パナソニックでは、「どんなときにどういう音がするか」を紹介しています。
なお、冬場のほうが、音が大きく、音がしている時間も長くなる傾向にあります。
水温も外気音も低く、運転時間も長くなるためです。
室外機(ヒートポンプ)から音が発生するのは、主に夜間
エコキュートがお湯をわかすのは、主に夜間。
23〜7時頃の時間帯です。
エコキュートの運転時は、コンプレッサー(圧力で気体を圧縮する装置)とファンから、回転音と振動が生じ、「ブーン」という低周波音が発生します。
冷蔵庫のそばなどで、ふと「ブーン」と鳴っているのに気づくことがありますが、あの音に近いです。
音のボリュームとしては、40〜50dB(デジベル)ほど。
これは「図書館の中」と同じ程度です。
ちなみに、エアコンの室外機が50dB~60dB(デジベル)ほどです。
日中なら気にならないレベルですが、周囲がひっそりとする深夜は「音が気になる」という声も。
なお、タンクの容量に比例するので、大型の場合は〜60dB(デジベル)弱ぐらいすることもあります。
また、冬期や寒冷地など、稼働のエネルギー必要なほど、音も大きくなります。
深刻なケースでは、近隣との訴訟問題に発展した事例もあり、エコキュート設置にあたり、注意点の一つといえます。
騒音対策が、気になりますね。
どんな方法があるのでしょうか?
エコキュートの騒音対策
ここからは、エコキュートの騒音対策をご紹介します。
防音グッズで騒音対策する
防音グッズを活用します。
室外機の下に防振ゴムを敷くことで、振動を抑制することが可能です。
また、室外機の正面に防音パネル・フェンスを立てる、などの方法もあります。
「エコキュート 防音対策」などで検索してみても、色々とグッズがでてきますよ。
防振ゴムは数千円の予算で入手できますが、防音パネル・フェンスは、〜数万円、頑丈なものは10万円近いなど、値が張ります。
エコキュートの向きを変える
エコキュートの向きを変えることで、音を抑制します。
また、設置当時と敷地や近隣状況が変わるなどして、他に移動できそうなら、設置場所を変えるのも、一つの方法です。
こうした作業には、基礎の打ち直しや配管の手直しなど、工事を伴います。
施工会社に相談し、費用の準備をしておきましょう。
耳栓をしたり、寝る場所変えるなどの対策をする
一般的な防音対策と同じですが、耳栓をする、という方法もあります。
他には、寝室を変える、枕の向きを変えてみる、などの方法もあります。
番外編:室外機カバーで、エコキュートをおしゃれに目隠しする
エコキュートの室外機について、音ではなく、外観でお悩みになっているケースもあるかもしれません。
そんなときは、室外機カバーで覆うことで、ご自宅の外観を損ねず、統一感をもたせ、おしゃれに見せることができます。
3つの注意点があります。
- エコキュートの運転を妨げないようにする
- 外気を取り入れる後ろ側や、吹き出し口が覆われないようにする
- カバーの上に物を置かない
エコキュートは、条件を満たす適切な場所を選んで設置する
エコキュートの設置には、十分なスペースを確保する
エコキュートは大型の機器です。スペースを確保しましょう。
広さとしては、
「ヒートポンプユニット+貯湯タンクユニット」
この2つを並べて設置できるぐらいのスペースが必要となります。
エコキュートには「角型」と「薄型」があります。
通常は「角型」を選択し、「角型」が難しい場合に「薄型」を選択します。
一般的な角型を想定すると
- 貯湯タンク:高さ180㎝、幅60㎝、奥行き70㎝
- ヒートポンプ:高さ70㎝、幅50㎝、奥行き30㎝
- 貯湯タンクが大型の場合:幅と奥行きにプラス10㎝
- 貯湯タンクとヒートポンプの間:30〜60㎝
- (室外機と)壁など障害物の間:10〜30㎝
ほどのスペースが必要です。
ですので、
「2m近い高さ、1.5mほどの横幅、1m以上の奥行き」
程度のスペースは、エコキュート一式の設置場所として、最低でも見積もっておきましょう。
薄型の場合、奥行きを減らすことができますが、その分、幅がワイドになります。
コンパクト型などは、底面積を小さくする分、高さが出ます。
メーカーによって寸法は前後します。
購入前に、希望機種の寸法を把握しておきましょう。
配管を確保できる場所に設置する
配管の位置も考慮します。
新規にエコキュートを設置する場合など、もともとあった給湯器(ガス給湯気や、エコキュートではない電気温水器など)を撤去し、その場所にエコキュートを設置し、既存の配管を再利用するのが一般的です。
このような場所以外だと、配管の再利用が難しいことがあります。
浴室から離れ過ぎた場所に設置しない
エコキュートメーカーは、設置場所について、「浴室との距離は15m以内」を推奨しています。
特に、追い焚き機能のある「フルオートタイプ」では重要です。
15m以上離れてしまうと、
- お湯が冷めて温度が下がる
- エラーが出てエコキュートが使えない
- お湯が出てくるまで時間がかかる
- 水道代が高くなる
など、支障が出てしまいます。
なるべく、「水回り付近」を選びましょう。
直射日光や風通しの悪い場所を避ける
直射日光はエコキュートの劣化につながります。
また、冷風の吹き出し口は塞がないようにしましょう。
エコキュートの防音対策でパネルや囲いを設ける際は、上記2つにも注意をしましょう。
カバーの上に物を置くのは避け、また、吹き出し口そばに植物を置くこともやめましょう。冷風により枯れてしまうことがあります。
お隣の寝室付近を避けるなど、近隣に配慮した場所を選ぶ
深夜電力に切り替わる「23時~翌朝の7時」ごろまでが、エコキュートが運転する時間です。
そのため、低周波音が気になる場合があるので、設置場所に注意します。
できるだけご自宅寝室や、お隣の寝室から、離れた場所を選びましょう。
エコキュート設置のお悩みは、道具で解決したり、プロの手を借りる
エコキュートの設置場所選びは、なかなか大変なもの。
お一人で悩まず、施工会社にご相談することをおすすめします。
室外ユニットを使って、二段置きする
「すでにエアコンの室外機があって、場所がない」というケースがあります。
そういうときは、室外ユニットを使って、上下二段に設置することができます。
※Panasonici「室外機二段置台 エコキュート/マルチ用(ZAM製)」および商品ページより画像を引用
キンキュートーは、エコキュート設置のお悩みを、お客様と一緒に解決いたします。
こちらでご紹介した、二段置きや配管カバーなどのケースはもちろん、その他、個別のご事情にもきめ細かく対応いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
エコキュートの異音や水漏れは不調のサイン
エコキュートから異音がしたり、水漏れがあったときは、不調のサインです。
エコキュートから異音がしたら、点検を実施する
正常な運転音とは異なり、エコキュートから異音がしたときは、すぐに使用を中止し、点検を実施しましょう。
命にかかわる危険なケースもあるので、判断がつかない場合、すみやかに修理を依頼しましょう。
「聞こえ方」の表現は、人により異なる部分があるかもしれませんが、以下に例をご紹介します。「普段とは違う音がする」ときは、警戒しましょう。
「ゴー」「ウー」という異音がしたとき
モーター故障の可能性があります。
モーターの劣化あるいは破損の可能性がありますので、修理会社に依頼しましょう。
「キュッキュッ」「キュルキュル」という異音がしたとき
加圧ポンプの不具合の可能性があります。
「キーン」という異音がしたとき
蛇口を閉めたときに「キーン」という音、「ハンマーで金属を叩いたときのような音」がしたら、注意しましょう。
これは、水道管や配管内の内部で、圧力が急上昇することで起こる「ウォーターハンマー現象」の可能性が高いです。
配管の破損にもつながる事故なので、すみやかに修理会社に依頼しましょう。
「ボンッ」「ボッボッ」という異音
不完全燃焼が起きている可能性があり、一酸化炭素中毒を起こすこともあります。すみやかに修理会社に依頼しましょう。
エコキュートから水漏れしたら、点検を実施する
異音と同様に、エコキュートの付近で水たまりを発見したり、水漏れに気づいたら、点検を実施しましょう。
水漏れは、運転に伴い生じる問題のないものと、故障の場合の両方があります。
時間とともに乾いてなくなる
一時的なものであれば、不具合ではありません。
「ヒートポンプの結露水」や「貯湯タンクの(通常)排水)」などによるものです。
対処が必要な水漏れ
常に濡れている状態のときは、故障を疑いましょう。
水漏れの原因は
- 経年劣化
- 摩耗
- 凍結
- 施工不良
- 間違った扱い方
などによります。
こちらの記事では、水漏れに関する詳細や対処方法はを解説しております。
「エコキュート水漏れの対処方法と原因。水漏れが疑われる不調や故障を防ぐ点検方法も紹介」
エコキュートメーカー各社のサポート・修理問い合わせ窓口
異音や水漏れなど、エコキュートの不調が気がかりなときは、メーカーのサポート窓口や修理会社に相談しましょう。
下記に、エコキュートメーカー各社のサポート・修理問い合わせ窓口を一覧でご紹介します。
メーカー | サポート・修理問い合わせ窓口 |
三菱電機 | 修理のご相談 |
パナソニック | 給湯・暖房 お客様サポート |
日立 | お客様サポート:エコキュート |
コロナ | サポート・お問い合わせ |
ダイキン | お問い合わせ |
東芝 | お客様サポート |
キンキュートー
この記事では、
- 「エコキュートの室外機」の特徴
- 「エコキュートの室外機=ヒートポンプユニット」の仕組み
- 室外機の運転音や騒音対策
- 室外機設置に必要な知識と場所の選び方
- 異音や水漏れなどエコキュートのトラブル対応方法
について、お伝えいたしました。
エコキュートの特徴をふまえれば、上手にエコキュートを利用することが可能です。
キンキュートーはエコキュート交換の専門会社
エコキュート交換をご検討される際は、どうぞお気軽にご連絡ください。
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工事費のお見積もりは、ご希望の場合、ご自宅に伺い、現地対応いたします。
搬入・搬出・工事や設置場所のご相談、補助金・助成金サポートなど、ご不安な点がないよう、きめ細かく、エコキュートのプロが対応いたします。
年中無休、24時間メール受付・7時〜22時お電話受付、ご相談は無料
どうぞお気軽に、キンキュートーまでご連絡ください。