【エコキュート】水抜きの正しいやり方 - 水抜きをしたことがない人でも安全な方法
エコキュートを利用している方の中には、「エコキュートの水抜きをやったことがない」「エコキュートの水抜き方法がわからない」という人も少なくありません。
しかし、エコキュートの貯湯タンクの水抜きをしないとタンク内が汚れ、お風呂のお湯にごみが混ざり清潔に使用できなくなります。さらにタンクの底に溜まったゴミが原因で、配管や浴槽のフィルターが劣化し、エコキュート自体の故障原因にもなりかねません。
そこで今回は、エコキュートの水抜きをやったことがない方のために、初めてでも安全に水抜きができる手順や、メーカー別のエコキュート水抜き方法をご紹介します。
この記事を監修したエコキュートの専門家
キンキュートー
日向 準(ひむかいじゅん)
給水装置工事主任技術者(第 267069 号)
第二種電気工事士(東京都 第 209331 号)
株式会社RSXの「キンキュートー」で、エコキュートの修理・交換工事を担当。ブログでエコキュートに関する様々な疑問とその解決方法を、国家資格を持ったプロとして詳しく解説。
【事前準備】エコキュートの水抜きに必要な道具
- 軍手
- ドライバー ※脚部カバーがドライバーのネジで留められている場合
貯湯タンクの水抜きは、難しい作業や工具は必要としません。しかしそれでも、軍手は用意しておいた方がいいでしょう。
水抜きの際は、外に設置しているタンク筐体のカバーや配管に直接触ることになるので、どうしても手が汚れてしまいます。また脚部カバーや本体は金属製となっていますので、素手で作業すると怪我をする可能性があります。軍手をつけて作業するようにしましょう。
エコキュートに脚部カバーをつけている場合、脚部カバーを取り外す際にドライバーが必要になる可能性があります。
エコキュートの中には、指で回せる手回しネジで脚部カバーを留めているものもありますが、中にはドライバーでしっかりネジ留めしているものもあります。
このような場合は、留めているネジの種類に応じて、プラスドライバーやマイナスドライバーを用意しておきましょう。
エコキュートを水抜きする手順
エコキュートの水抜きは、以下の手順で進めていきます。
水抜きの基本的な手順は、「漏電遮断器をオフにする」⇒「給水止水栓を閉じる」⇒「逃し弁を開ける」⇒「排水栓を開ける」⇒「水抜きが終わったら元に戻す」という作業になります。
水抜き手順① 漏電遮断器をOFFにする
エコキュートの水抜き作業で最初にすることは、「貯湯タンクの漏電遮断器をOFFにする」ことです。
貯湯タンクの筐体には、指で外せる手回しネジで止められたカバーが上下2種類ついていて、下の方が漏電遮断器のカバーになります。
漏電遮断器のカバーを外すと、「ON ⇔ OFF」と書かれた漏電遮断器の操作盤が出てきますので、操作盤のレバーを「OFF」に切り替え漏電遮断器を止めます。
水抜き手順② 給水止水栓(元栓)を閉じる
次に、貯湯タンク筐体の下の、配管部にある「給水止水栓(元栓)」を閉じます。
貯湯タンクの配管部は「脚部カバー」をつけている方が多いと思いますが、この場合は最初に脚部カバーを取り外します。
配管部分が出てきたら、「給水止水栓(元栓)」を閉じます。給水止水栓は給水管についていて、複数の配管が並ぶ中、ハンドル(バルブ)が付いているところが給水止水栓です。これを回して給水を止めます。
なお、給水管に給水止水栓のバルブがついてない場合や、複数のバルブがついていてどれが給水止水栓のバルブなのかわからない場合もあります。こういった場合は、お手元の取り扱い説明書を確認するか、エコキュートを設置した施工会社にご確認ください。
水抜き手順③ 逃し弁を開ける
給水止水栓を閉じたら、今度は貯湯タンク筐体最上部にある「逃し弁」のカバーを開けます。
指で外せる手回しネジで止められたカバーを外すと、中に逃し弁のレバーがあります。上下に動かすことができるレバーを上げて、逃し弁を開けます。
水抜き手順④ 排水栓を開けて、1~2分間排水する
逃し弁を開いたら、「排水栓」を開けてタンク内の水を排水します。配管の裏側、貯湯タンクに直接付いたハンドル(バルブ)が排水栓です。排水栓を開くと、排水口から水が流れ出します。
水が流れていることを確認したら、そこから1~2分間排水し続けます。こうすることで、貯湯タンクの底に溜まった水垢やゴミを洗い流すことができます。
水抜き手順⑤ 排水し終わったら排水栓を閉じる
排水を1~2分間ほど続けたら、排水作業は完了です。先ほど開けた排水栓を閉じます。
水抜き手順⑥ 給水止水栓(元栓)を開け、水を出す
排水栓を閉じたら、今度は給水管についた給水止水栓を開きます。排水口から勢いよく水が出るのを確認します。
水抜き手順⑦ 逃し弁のレバーを戻す
給水止水栓を開き排水口から水が出たら、今度は逃し弁のレバーを下げます。
水抜き手順⑧ 漏電遮断機をONにする
逃し弁のレバーを下げたら、最後に漏電遮断器をONにします。
水抜き手順⑨ 蛇口から水とお湯が出るのを確認する
すべての作業が完了したら、蛇口から水とお湯が正常に出ることを確認してください。
問題なければ脚部カバーなどをつけて、水抜き作業の完了です。
なお、漏電遮断器を一度切ってから再度電源を入れなおすと、機種によっては温度設定などの初期設定を行う必要がある場合があります。またリモコンに「試運転モード」の表示が出る可能性もあります。
試運転はスキップしても問題ありませんが、心配であれば、一度試運転でエコキュートの動作を確かめたほうがいいかもしれません。
エコキュートを水抜きする際の注意点
- 水が勢いよく出てきて周囲が水浸しになる可能性がある
- 熱湯が飛び出しヤケドする可能性がある
- 外の気温が氷点下近いと、配管が凍結する恐れがある
エコキュートの水抜きの注意点としては、作業中に熱湯が勢いよく飛びだしてくる可能性があることです。
エコキュートの貯湯タンク内には、80度程度のお湯が入っています。そのため水抜き時に高温のお湯が勢いよく呼び出し、ヤケドをする危険性もあります。作業時には十分にご注意ください。
また外の気温が0度となっているような日は、貯湯タンクの水抜きは控えましょう。配管が凍結する恐れがあります。
水抜き作業の際には、どうしても配管周りが水で濡れてしまいます。この時に外気温が氷点下近いと、水が凍って配管まで凍結する恐れがあるのです。
冬にエコキュートの水抜きを行う際は、気温の上がった昼間の時間帯に行い、作業後は配管周りの水をタオルなどでしっかりぬぐっておきましょう。
メーカー別 エコキュートの水抜き方法
エコキュートの水抜き作業の手順は、基本的にはどのメーカーも同じです。
しかし、漏電遮断器や逃し弁、給水止水栓、排水栓の位置や名称、操作方法がメーカーによって異なる可能性もあります。
そこで各メーカーが解説しているエコキュートの水抜き方法を、一覧にしてご紹介します。
メーカー名 | 水抜き方法(テキスト解説) | 水抜き方法(動画解説) |
---|---|---|
パナソニック | 【エコキュート】タンク(貯湯ユニット内)のお手入れについて(動画説明あり) | 1.パナソニック エコキュート水抜きの手順 2020年モデル以降 2.パナソニック エコキュート水抜きの手順 2018年モデルまで |
ダイキン | お手入れと点検について(エコキュート) | なし |
日立 | 1.お手入れや点検は何をすればいいですか? 2.エコキュート 取扱説明書検索(型式別マニュアル検索ページ) |
なし |
コロナ | 取扱説明書のダウンロード | なし |
三菱 | 取扱説明書ダウンロード | よくあるご質問 動画集 |
東芝 | 東芝ヒートポンプ給湯器 取扱説明書(家庭用) | なし |
自分で水抜きするのが不安な方は、メーカーサポートを利用する
エコキュートの水抜きをご自身でやるのが不安な方は、メーカーの保証やサポートを利用する方法もあります。
メーカー保証やメンテナンスサービスの内容は様々で、修理・点検は有料となるものも少なくありません。
そのため、水抜きが有償サポートとなる可能性もありますが、メーカー保証とは別に施工会社で無料保証を付けている場合もあります。
ご自身での水抜き作業が不安な方は、一度メーカーや施工会社に確認してみるといいでしょう。
エコキュートの水抜きは年に2~3回程度行う
エコキュート貯湯タンクの水抜きは、年に2~3回程度行うことが推奨されています。
もともと貯湯タンクにはゴミが入らないようにフィルターがあるため、頻繁に行う必要はありません。
しかし、エコキュートの水やお湯を清潔に使うには、やはり半年に1回などの頻度で、必ず貯湯タンクの水抜きを行いましょう。
エコキュート貯湯タンクの水をすべて抜く場合は、1時間程度かかる
基本的に、貯湯タンク内の清掃を目的とした水抜きは、年に2~3回、1~2分間の排水で問題ありません。
しかし、「長期間エコキュートを使わない」「エコキュートを交換・処分する」といった理由で、エコキュートの貯湯タンクの水をすべて抜く必要がある場合は、タンク容量にもよりますが、作業時間としては60分~80分と、1時間強かかります。
また一度貯湯タンクを空にしてからエコキュートを使用する場合は、必ず以下作業を行ってください。
- 貯湯タンクを満水にする
- ヒートポンプの空気抜きを行う
空の貯湯タンクを満水にした場合、ヒートポンプの空気抜き(エア抜き)を行う
貯湯タンクの水をすべての排水してから再びエコキュートを使うには、貯湯タンクを再び満水にして、お湯を湧き上げる必要があります。
この時、必ず「ヒートポンプユニットの空気抜き(エア抜き)」も行いましょう。
※エア抜きの方法はメーカーごとに異なる可能性があります。作業前に必ず取り扱い説明書をご確認ください。
貯湯タンクを満水にする
まず、空になった貯湯タンクを満水にします。排水栓を閉じ、給水止水栓を開きます。
それから逃し弁レバーを開け、排水口から水が出ることを確認します。タンク容量にもよりますが、貯湯タンクが満水になるまで約30分~40分ほどかかります。
排水口から連続で水が出始めたら、満水の合図です。逃し弁を戻し、 家の蛇口からお湯側を開いて、水が出るのを確認したら、蛇口を閉めます。
ヒートポンプの空気抜き
次に行うのが、ヒートポンプの空気抜き(エア抜き)です。
ヒートポンプユニットについている「水抜き栓」を軽く開きます。すると水抜き栓から、空気と混ざった水出てくるので、1分以上出しっぱなしにします。
1分以上経ち、出てくるのが水だけになったら、水抜き栓を全て閉じます。これで空気抜きは完了です。
一度貯湯タンクの中身を空にした場合、「貯湯タンクを満水にしてから、ヒートポンプのエア抜きをする」という作業を行わないと、正常にお湯の湧き上げができない可能性があり、故障の原因にもなってしまいます。
貯湯タンクの清掃を目的とした、1~2分間の水抜きの際はヒートポンプの空気抜きは特に必要ありません。
しかしもし貯湯タンクを空にした場合は、ヒートポンプの空気抜きも忘れずに行いましょう。
エコキュート交換の際は、事前に水抜きをしておく
エコキュートを新しいものに交換する場合、工事前に古いエコキュートの貯湯タンクを水抜きしておくことをおすすめします。
エコキュートの交換工事は、設置状況にもよりますが、6~8時間かかることも珍しくありません。
この時に、もし貯湯タンク内の水抜きが終わっていないと、交換工事の時間はさらに長引くことになってしまいます。
もちろん、貯湯タンクの水抜きを業者に任せる方法もあります。
例えば「キンキュートー」であれば、交換工事の際に古いエコキュートの水抜きが終わっていなくとも、当社で水抜き作業を行いますし、それで追加費用を請求することもございません。
しかしエコキュートの貯湯タンク内の水をすべて排水するには、タンク容量にもよりますが、60~80分程度かかります。つまりその分、交換工事にかかる時間が延びてしまうのです。
エコキュートの交換工事をスムーズに終わらせたいとお考えの方は、交換工事の前に貯湯タンクの水抜きをしておくことをおすすめします。
エコキュートの水抜き後、水やお湯が出なくなった場合の対処方法
エコキュートの水抜きを行った後、水やお湯が出なくなった場合、給水止水栓が開いていなかったり、逃し弁が閉じられていなかったりする可能性があります。
まずは、水抜き作業中に操作した以下点を確認しましょう。
- 「逃し弁」が閉じられている
- 「給水止水栓」が開いている
- 「排水栓」が閉じられている
- 「漏電遮断器」がONになっている
併せて、貯湯タンクが満水になっているか、配管からの水漏れが起きてないかもご確認ください。
エコキュートの水抜きをしないとどうなる?
- 貯湯タンク内に水垢やゴミが溜まる
- 使用する水やお湯にゴミや水垢が混入する
- 配管や浴槽のフィルターが劣化する
- エコキュート自体の故障原因になる
エコキュートの水抜きは、「貯湯タンク内の清掃」を目的としています。
そのためエコキュートの水抜き作業を行わないと、貯湯タンク内に汚れが溜まり、清潔な水やお湯が使えなくなる可能性があります。
また配管や浴槽のフィルターの劣化スピードが速くなる他、フィルターの劣化が原因でエコキュート自体が故障するリスクも高まります。
エコキュートはもともと10年程度で新しいエコキュートとの交換が推奨されていますが、水抜きをはじめとする定期的なメンテナンスを怠れば、エコキュートの寿命をさらに縮めることになりかねません。
エコキュートの水抜き作業はそれほど難しいものではありません。年に2~3回の頻度でかまいませんので、定期的にエコキュートの水抜きを行いましょう。
エコキュートのトラブルなら、「キンキュートー」まで一度ご相談を
水抜きをしなかったせいでエコキュートが壊れてしまった方や、「交換したいけどどんなエコキュートを選べばいいかわからない」とお困りの方は、ぜひ一度「キンキュートー」までご相談ください。
「キンキュートー」なら、最新モデルのエコキュートの中から、お客様の使用条件に最適なエコキュートをご提案いたします。またエコキュート本体価格も、交換工事費込みで398,000円~と、最新モデルとは思えぬリーズナブルな価格で承っております。
出張費も古いエコキュートの廃棄費用もすべてコミコミですので、家電量販店やメーカーに頼むよりもお得にエコキュートを交換できます。
見積もり無料で工事の追加費用も一切ございません。もちろん見積もり後のキャンセルも可能です。
エコキュートの交換をご検討されている方は、お気軽に「キンキュートー」までご相談ください。