エコキュートの最適なタンク容量 - 3人家族・4人家族・5人家族の場合
エコキュートのお湯をためる「貯湯タンク」には、様々なサイズがありますが、一般的には370リットル~460リットルのサイズがもっとも人気なサイズとなっています。
しかし、中には「370リットルだとお湯が足りなくなる」という意見も少なからず見られます。
そこで今回は、エコキュート選びの際のタンク容量の目安について、家族構成ごとで1日に使用する湯量と合わせ、解説します。また最適なお湯の使い方などについても説明いたします。
この記事を監修したエコキュートの専門家
キンキュートー
日向 準(ひむかいじゅん)
給水装置工事主任技術者(第 267069 号)
第二種電気工事士(東京都 第 209331 号)
株式会社RSXの「キンキュートー」で、エコキュートの修理・交換工事を担当。ブログでエコキュートに関する様々な疑問とその解決方法を、国家資格を持ったプロとして詳しく解説。
370リットルのエコキュートではお湯が足りない?
使用する人数(世帯人数)によって、推奨される貯湯タンクサイズが異なりますが、2023年現在、エコキュートで主流となっているのは、370Lと460Lの貯湯タンクです。
- 370リットル:3~5人家族向け
- 460リットル:4~7人家族向け
これを目安に考えた場合、3人家族までなら370リットルのサイズで問題なさそうです。
しかし判断に迷うのが4~5人家族の場合です。370リットルと460リットル、どちらも4~5人家族の推奨サイズとなっており、「結局どちらを選べばいいの?」とお困りの方が少なくありません。
そこでまずは、「実際に使うお湯の量」を目安にして考えてみましょう。
お風呂の湯量は200リットル前後が目安
お湯の使用量が最も多くなるのは、お風呂の湯はりです。
湯はりに必要な湯量は浴そうサイズによっても変わりますが、一般家庭の浴そうの場合、おおむね200リットル前後となります。
また足し湯を行えば、ここからさらにお湯の使用量は増えていきます。
シャワー1分で10リットル分の湯量
最近は湯船につからずにシャワーだけで済ませる方も多くなっていますが、1分間シャワーを流しっぱなしにすると、約10リットル程度の湯量となります。
もし20分間シャワーを使いっぱなしにした場合、20(分)×10(リットル)で湯量は200リットルとなります。この場合、お風呂の湯はりと変わらない湯量を使うことになります。
蛇口から1分間お湯を流し続けると約5リットル分の湯量
キッチンでの洗い物や手洗い、洗顔などで、蛇口から1分間お湯を流し続けると、約5リットルの湯量となります。
寒い時期になると、お湯を出しっぱなしにしたまま炊事や洗面などを行う方も少なくないですが、2分流しっぱなしで10リットル、4分流しっぱなしで20リットルと、意外と多くの湯量を使ってしまいます。
寒い地域では使う湯量が多くなる傾向
使い方以外に、湯量の増減に影響を及ぼす要因となるのが、外気温です。単純に気温が暑ければお湯の使用量は減りますし、寒ければお湯の使用量は増えます。
そのため寒い地域では、特に冬場に使用する湯量が多くなる傾向があると言われています。
お湯の使用量の地域差について、暑い地域と寒い地域の具体的な湯量の比較は確認できませんでしたが、インターネットでは「九州では370リットルで十分」「東北やその近隣地域は460リットル欲しい」といった口コミも散見されます。
4人家族の使用湯量はおよそ660リットル
以上、1日の使用する湯量の目安をまとめると、以下の通りとなります。
- お風呂の湯はり:200リットル
- シャワー(10分):100リットル
- 洗面(2分):10リットル
- 炊事:10リットル
- 洗濯:10リットル
これを4人家族として考えると、まず4人全員が使用するシャワーと洗面の湯量110リットル×4=440リットル。それに炊事と洗濯の湯量20リットルを加え460リットル。
これに毎日お風呂の湯はり(200リットル)を行うとすると、4人家族が1日で使用する湯量は、660リットル前後が目安となります。
3~4人家族なら、貯湯タンク370リットルのエコキュートで足りる
4人家族で1日当たりに使用する湯量が600リットル以上だと聞くと、「エコキュートの370リットルじゃ全然足りないじゃないか」と思われるかもしれません。
しかし、4人家族までなら370リットルが推奨サイズとなります。特に3人家族であれば、370リットルでも余裕をもってエコキュートを使用できるでしょう。エコキュートで実際に使える(給湯できる)湯量は、貯湯タンク容量の2倍程度だからです。
「エコキュートで使える湯量」=「タンクサイズの約2倍」
エコキュートで作ったお湯は、60~90度というとても高温な状態で貯湯タンクに入っています。そのためエコキュートでは、「混合水栓」で貯湯タンクの水道水と混ぜ、適温にしてから給湯する方式を取ります。
貯湯タンクのお湯を、40度前後の適温で給湯するには、お湯の量と同じくらいの水の量が必要になります。
つまり、エコキュートで実際に使えるお湯の量は、貯湯タンクの容量の2倍くらいになるのです。
370リットルのエコキュートの場合、2倍弱の700リットル程度が給湯できるため、660リットル程度使用する4人家族であっても、370リットルのエコキュートで十分足りる計算となるのです。
5人家族なら、容量460~550リットルのエコキュートがおススメ
パナソニックやダイキンといった一部メーカーでは、370リットルのエコキュートを「3人~5人家族向け」として販売しています。
しかし、5人家族で余裕をもって給湯したいのならば、370リットルではなく460リットル、もしくは550リットルのエコキュートがおススメです。5人家族の場合、1日の使用湯量は750リットルを超える可能性があるからです。
370リットルのエコキュートの給湯能力は、1日に700リットル前後となるため、5人家族で1日にシャワーを多く、かつ長く使ったり、1日にお風呂の湯張りや足し湯を何度も行ったりする場合は、お湯が足りなくなる懸念があります。
もちろん中には「5人家族でも370リットルで十分」という方もいらっしゃいます。エコキュートを導入する前には、まずご自身のご家族の使用状況を踏まえて貯湯タンクの容量を選択しましょう。
使い方次第で、エコキュートのお湯が足りなくなることも
基本的に、エコキュートの容量は、4人家族までなら370リットル、5人家族なら460リットル、5~7人家族なら550リットルが推奨されます。
しかし、お湯の使い方次第では、推奨される貯湯タンクのサイズでも、十分な湯量とはならない可能性もあります。
例えば4人家族の場合、就学前の幼児が2人いる4人家族と、中学生・高校生の兄妹姉妹のいる4人家族では、具体的なお湯の使用方法はかなり異なります。
子供が2人とも幼いなら、「家族一緒にお風呂に入る」という方が少なくありません。また「入浴はシャワーだけでさっと済ませる」といったご家族なら、5人家族でも370リットルで問題ないケースも少なくありません。
しかし「思春期の子供2人がお風呂で長湯する」「家族1人が入るごとにお湯を入れ替えている」といった使い方をしている場合、4人家族であっても「370リットルでは足りない」ということが起こりかねません。
「エコキュートの370リットルでは容量が足りない」ときは、使い方を工夫する
「エコキュートでお湯が足りない」という事態を避けるため、そして何より光熱費を抑えるためには、お湯の無駄使いを避けることが大切です。
湯はりの量を少し減らす
もっとも多くのお湯を使うのが、お風呂の湯はりです。そのため湯張りの設定湯量を少し下げると高い節水効果が期待できます。
たとえば200リットルで設定している湯はり量を、180リットルにするだけでも十分な効果があります。湯はりの量が180リットルでも、ゆったりとお風呂につかることができます。
節水シャワーヘッドを使う
シャワーは1分あたり10リットル程度のお湯を流すため、仮に20分間シャワーを流しっぱなしで使った場合、湯はりと同等の200リットルものお湯を使用することになります。
しかし省エネタイプの節水シャワーヘッドを使えば、お湯の使用量が少なくなり、節水効果が期待できます。
洗面器などを使って流しっぱなしを控える
洗面所での洗顔や手洗い、キッチンでの洗い物などお湯を使う場合、使用量は1分あたり5リットル程度となります。
しかし洗面器やタライなどにお湯を貯めて使えば、使用するお湯の量をかなり減らすことができます。目安とはなりますが、洗面器にためて顔を洗う場合、使用するお湯の量は約2Lで済ますことができます。
湯量を気兼ねなく使いたいなら、大容量のエコキュートがおすすめ
節水を意識してエコキュートを使えば、電気代だけでなく水道代の節約にもなります。しかし、「毎日節水を意識するのは、正直面倒だからしたくない」という方も、少なくないでしょう。
できるだけ余裕をもってエコキュートで給湯したいという方は、ご自身の家族構成よりもワンサイズ容量の大きな貯湯タンクを選ぶのも、一つの手段です。
エコキュート 370Lと460Lの価格差は3万円~5万円程度
エコキュートの370リットルと460リットルの価格差は、販売店によっても異なりますが、おおむね3万円~5万円程度となっています。
例えば家電量販店のケーズデンキでは、2023年8月時点で、370リットルと460リットルの価格差は33,000円となっておりました。
また当社「キンキュートー」では、日立製2023年モデルのエコキュート「BHP-FG37WU」(370リットル)と「BHP-FG46WU」(460リットル)を、価格差20,000円でご用意しております。
この差額が気にならず、余裕をもって給湯したいという方であれば、370リットルではなく460リットルのエコキュートを選ぶ方がよいでしょう。
エコキュート 370Lと460Lの電気代に差はほぼない。
エコキュートの370リットル460リットルでは、給湯に必要となる電気代にも差がほぼありません。
実際、エコキュートの主要メーカーである日立の給湯光熱費かんたんシミュレーションで調べてみると、年間電気代は370リットルのエコキュートで22,658円(※)、460リットルのエコキュートで23,211円(※)となっております。
※電力会社はいずれも「東京電力エナジーパートナー」
つまり、本体価格だけでなく、電気代でも370リットルと460リットルのエコキュートはほとんど差がないのです。給湯量に余裕をもって使いたければ、容量の大きなエコキュートを選ぶのも一つの方法です。
エコキュート最小容量は180L、最大容量は550L
エコキュートの容量は、基本的に370リットルと460リットルの2種類がメインとなっています。
しかし中には、「家族構成が2人だからもっと小さい容量のエコキュートに交換したい」という方もいらっしゃるでしょう。
そういった方のために、370リットルよりも小さい「300リットル」や、最小サイズとなる「180リットル」というエコキュートを用意しているメーカーもあります。
また逆に「親世代、孫世代含めての大家族だから、もっと大きな容量のエコキュートが欲しい」という方のために、550リットルのエコキュートも用意されています。
2023年現在、エコキュートの最大容量は、5~7人家族での使用が推奨される550リットルとなっています。
三菱電機は180L~550Lまで幅広く用意
数多くのメーカーが370リットルと460リットルのエコキュートを数多く取り揃える中、三菱電機では180リットルから550リットルまで、幅広い容量のエコキュートを用意しています。
550リットルのラインナップが充実しているだけでなく、300リットルや180リットルなど、単身向けや世帯人数の少ない家族向けのエコキュートも他メーカーより豊富。
貯湯タンクを基準にエコキュートを探している方なら、三菱電機はおすすめのメーカーとなっております。
エコキュート選びで容量に迷ったら、「キンキュートー」までご相談を
以上、エコキュートの最適な貯湯タンクサイズについての解説でしたが、エコキュートを選ぶ際には容量だけでなく、機能や省エネ性能、さらに工事費を含めた導入コストも重要となります。
もし「どんなエコキュートを選べばいいのかわからない」とお困りだったり、「エコキュートの導入費用を少しでも安く抑えたい」とお考えの方は、ぜひ当社「キンキュートー」までご相談ください。
経産省「給湯省エネ事業者」の登録業者である株式会社RSXが手がける「キンキュートー」では、2023年モデルの最新エコキュートを、出張費・工事費・廃棄費込みで378,000円~からご用意しております。
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