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エコキュートの最適な凍結防止法とメーカー別対処方法

エコキュートの最適な凍結防止法とメーカー別対処方法

お役立ちコラム
2023.11.25 更新

冬になると、断水しているわけではないのに、エコキュートのお湯が出なくなったり、リモコンにエラー表示がされたりすることがあります。これらの症状は、エコキュートの配管が凍結している可能性があります。

そこで今回は、寒い季節に増加する「エコキュートの凍結」の防止方法と、凍結してしまった際の対処方法について詳しく解説いたします。

この記事を監修したエコキュートの専門家

キンキュートー 日向 準(ひむかいじゅん) 給水装置工事主任技術者(第 267069 号)
第二種電気工事士(東京都 第 209331 号)

株式会社RSXの「キンキュートー」で、エコキュートの修理・交換工事を担当。ブログでエコキュートに関する様々な疑問とその解決方法を、国家資格を持ったプロとして詳しく解説。

「キンキュートー」保有資格

外気温が0度以下になると、エコキュートが凍結する原因に

外気温が0度以下になるとエコキュートの凍結原因に

エコキュートの凍結原因は「外気温」です。外の気温が急激に下がり、0度以下になると、室内と室外をつないでいる配管が凍結してしまう可能性があるのです。

配管が凍結してしまうと、当然貯湯タンクからお湯が流れてこないので、断水しているわけでもないのに、室内で蛇口をひねってもお湯が出てこなくなります。

そのため、前日の天気予報で氷点下の予想がされる日や、寒い日が続くような日は、事前にエコキュートの凍結防止対策をしておくとよいでしょう。

エコキュートの凍結防止方法

エコキュートの凍結防止方法は、大きくは以下5つとなります。

  1. お風呂に水をはって凍結防止運転する(フルオートタイプのみ)
  2. 蛇口(給湯栓)から1分間に200ccの水を出しっぱなしにする
  3. 配管に保護カバーをつける
  4. 凍結防止ヒーターを使用する
  5. 寒冷地仕様のエコキュートを導入する

エコキュートの凍結防止方法① 浴槽に水をはって凍結防止運転する

エコキュートの凍結防止方法① 浴槽に水をはって凍結防止運転する

もっとも簡単な凍結防止方法は、前日にお風呂にお湯(水)を張っておくことです。

フルオートタイプのエコキュートの場合、お風呂に水やお湯を張ったままにすると、外気温に合わせ、自動で凍結防止運転を行ってくれます(※機種によりリモコン設定が必要な場合もあり)。

お風呂の水位は、追い炊き口(循環口)から10cm以上の上の部分までが目安です。こうすることで、追い炊き口から自動で水を循環させ、ふろ配管の凍結を予防できます。

エコキュートの凍結防止方法② 蛇口から1分間に200ccの水を出しっぱなしにする

フルオートタイプ以外のエコキュートの場合、凍結防止運転ができない可能性があります。このような場合は、お湯側の蛇口を少し開き、糸引き状の水を出しっぱなしにすると、凍結を防止することができます。

注意点としては、流すのは「お湯」ではなく「水」にすることです。機種によっては水に設定できない場合もありますが、その時はできるだけ低温のお湯に設定してください。

流す水の量は、1分間にコップ一杯分(約200cc)が目安となります。糸引き状態の水を出して、最初の30分~60分程度は様子を見ながら水量を確認しておきましょう。

  • 温度を「水」に設定する(水にできない場合は、できるだけ低温のお湯)
  • 夜から朝まで、1分間にコップ1杯分(約200cc)の水が出るように蛇口を開ける

水を出しっぱなしにした時の水道代はいくら?

エコキュートの凍結防止のためとはいえ、水を出しっぱなしにする場合、やはり気になるのは水道代です。

1分間に200ccの水を1時間出しっぱなしにすると、合計で12リットルもの水が流れる計算となります。つまり、夜23時から水を流し、朝の6時に水を止めた場合、7時間×12リットル=84リットルもの水が流れます。

水道料金は地域で異なりますが、1リットルが0.24円が全国平均だと言われていますので、7時間流し続けた場合、水道代は84リットル×0.24円=20.16円程度かかる計算となります。

決して高い金額ではありませんが、それでもムダであることは間違いありません。流した水は桶やバケツに貯めるなどして、花壇の水やりや掃除の水ぶきなどで再利用するとよいでしょう。

エコキュートの凍結防止方法③ 配管に保護カバーを付ける

外に設置している貯湯ユニットの配管に、保護カバーや保温材をつけるのも、エコキュートの凍結防止方法の一つです。

エコキュートの配管が直接風雨にさらされると、自然と配管の熱が奪われてしまいます。こうなると、外気温が低いときに配管が凍結してしまう可能性があるのです。

エコキュートの場合、脚部の化粧カバーが保護カバーとなりますが、別売となっていることが多いので、ご自身で囲いや風よけを設置しても凍結防止効果が期待できます。

ただ、ヒートポンプの吸込口・吹出口付近にモノを置いて吹出口や吸込口が塞がると、エコキュートの能力低下や故障原因にもなる可能性があるのでご注意ください。

エコキュートの凍結防止方法④ 凍結防止ヒーターや保温材を使用する

エコキュートの設置時には、配管周りに保温材が巻かれますが、外気温が氷点下くらいになると、それだけでは十分な凍結対策とはならない可能性があります。その場合、凍結防止ヒーター(凍結防止帯)を活用する方法があります。

凍結の恐れがある寒冷地の場合、エコキュート設置時に凍結防止ヒーターが巻かれているので、ヒーターの電源プラグをコンセントに差し込み通電させることで、外気温に連動して自動的にヒーターが稼働してくれます。

凍結防止ヒーターがない場合は、エコキュートの設置を依頼した施工業者等に依頼することで設置してもらえます。凍結防止ヒーターの工事費用は、5,000円~20,000円前後が相場となっています。

また凍結防止ヒーターは市販されているので、それをご自身で取り付けることも可能ですが、自分での取り付け作業に不安な方は、ホームセンターなどで売っている保温材を配管に巻きつけることでも、凍結対策が可能です。

凍結防止ヒーターの電気代はいくらかかる?

凍結防止ヒーターは、エコキュートの凍結防止方法として高い効果が期待できます。

しかし半面、電気代が高額になるというデメリットが存在します。仮に24時間凍結防止ヒーターを稼働した場合、電気代は月に1万円以上の高くなる可能性があります。さらに最近のエネルギー費高騰も考慮すれば、さらに電気代が高額になる恐れもあります。

エコキュートの凍結防止方法⑤ 寒冷地仕様のものを使う

冬の寒さが厳しいエリアで使用する場合、凍結防止方法として有効なのが、寒冷地仕様のエコキュート導入です。

メーカーによって細かな仕様は異なりますが、寒冷地仕様のエコキュートは「循環凍結防止運転機能」「圧縮予熱運転機能」 「凍結防止ヒーター」が最初から組み込まれ、貯湯タンクはマイナス20度まで、ヒートポンプはマイナス25度まで対応可能となっています。

また寒冷地仕様のエコキュートは現場施工でも、タンクや配管が凍結して破損するのを防ぐため、断熱材や保温材をつけるといった凍結防止対応を行います。

そのため寒冷地仕様のエコキュートの場合は、ご自身で凍結防止ヒーターや保温材をつけるといった手間がなくなります。

メーカー別:エコキュートの凍結防止方法

エコキュートの凍結防止方法については、各メーカーのホームページでも説明しています。

基本的な凍結防止対策は同じですが、メーカーごとで凍結防止運転の操作方法などが異なるため、不安な方は一度メーカーのホームページで凍結防止方法を確認することをおすすめします。

メーカー名 凍結防止方法(テキスト) 凍結防止方法(動画)
パナソニック 【エコキュート】エコキュートの凍結予防方法は?(動画説明あり) エコキュート:冬場の凍結予防方法について
ダイキン よくあるご質問(Q:凍結を防止するにはどうすれば良いですか?) エコキュート 取扱説明動画【こんなときは(凍結防止処置など)】【ダイキン】
三菱 エコキュート、冬の寒い朝にお湯や水が出ないのは故障?|三菱電機 CME(CLUB MITSUBISHI ELECTRIC) エコキュート「凍結によりお湯や水が出ない」【三菱電機公式】
日立 凍結防止について なし
コロナ 冬季の凍結予防について なし
東芝 東芝ヒートポンプ給湯機 取扱説明書(家庭用) なし

エコキュート凍結時は、「自然解凍」が基本の対処法

凍結防止対策をしても、エコキュートの配管が凍結してしまった場合に考えられる代表的な対処方法は、以下の通りです。

  • 自然解凍を待つ
  • 配管にぬるま湯をかけて解凍する

この中でメーカーが推奨しているエコキュートの解凍方法は、「自然解凍」のみです。その他の方法をメーカーは推奨していません。

自然解凍が最も安全な方法

エコキュートの凍結でもっとも安全な対処方法は、「自然解凍を待つ」です。

お急ぎでない場合は、朝にお湯の蛇口(給湯栓)を少し開け、昼にかけての気温上昇に伴い凍結が自然解凍されるのを待ちましょう。

配管に急激な温度変化が生じると、配管自体が破損する恐れがあります。そのため自然解凍が最も安全なエコキュートの凍結対処方法となります。

配管にぬるま湯をかけて解凍する際の注意点

朝の準備のためにすぐにお湯を使いたい場合、エコキュートの配管にぬるま湯をかけると解凍させることができます。

ただ、熱湯をかけるのは厳禁です。急激な温度変化で配管が破損する恐れがあります。

そのため、まず凍結部分にタオルなどを巻き、その上から、人が触っても熱くない30度前後~40度前後の温度のぬるま湯をかけます(熱湯1の割合に対し、水を2の割合で混ぜると、30度程度のぬるま湯になります。)。

また、ぬるま湯をかける際は、保温材が巻かれている箇所は避けるようにしてください。配管が解凍されてエコキュートからお湯が出た後は、さらなる凍結を避けるため配管にかけた水を拭き取りましょう。

ドライヤーで解凍するのは要注意

エコキュートが凍結した場合、ドライヤーや使い捨てカイロなどで解凍を試みる方もいらっしゃいますが、この方法は注意が必要です。

ドライヤーや使い捨てカイロは温度調整ができません。凍結した配管に高い熱を当てると、急激な温度変化で配管が破損する恐れがあります。メーカーも自然解凍を推奨しています。

ホットタオルで解凍する時も、手で持てないほど熱い温度にするのは厳禁です。30度~40度前後の温かさにしたタオルをあてるようにしましょう。

【メーカー別】 エコキュート凍結時のエラーコード一覧

エコキュート凍結時のメーカー別エラーコード一覧

凍結時の対処方法については、各メーカー「自然解凍」を推奨しており、自然解凍で復帰しない場合は、販売店やメーカーへの連絡をお願いしています。

ただ、お湯や水が出ないときに、リモコンに表示されるエラーコードは、各メーカーで異なります。エコキュートの凍結時の各メーカーエラーコードは、以下の通りです。

メーカー名 エコキュート凍結時のエラーコード
パナソニック U-22 ・ F12 ・ F19 ・ H94
ダイキン HJ ・ FA ・ EC ・ C15 ・ C16 ・ E3 ・ C45 ・ C52 ・ C55 ・ C80 ・ C81 ・ U51 ・ UF
三菱 「断水/配管凍結ではありませんか」 ・ P05 ・ P37 ・ F6 ・ C03 ・ 103 ・ C19 ・ C20 ・ 120 ・ C21 ・ C23 ・ C26 ・ C27 ・ C30
日立 Er24 ・ Er15 ・ HE22
コロナ E:14 ・ E:28 ・ U:2 ・ U:3
東芝 HU:12 ・ U:27

凍結が原因でエコキュートが故障した時は、「キンキュートー」までご相談を

以上、エコキュートの凍結防止方法と、凍結した際の対処方法でしたが、中には「対策しても凍結が原因でエコキュートが故障してしまった」という方もいるかもしれません。

もし凍結が原因でエコキュートが故障してしまい、メーカー保証による修理などをご希望の場合は、お使いのエコキュートのメーカーや施工会社に一度ご連絡ください。

ただ、エコキュートのメーカー保証が切れてしまっている場合や、「これを機に新しいエコキュートに交換しよう」とお思いの方は、ぜひ「キンキュートー」までお問い合わせください。

「キンキュートー」では、工事費・出張費・撤去費込みで370リットルのエコキュート交換が398,000円から承っております。

用意しているエコキュートはすべて最新・直近モデル。最終見積もり後の追加請求は一切なく、国の補助金申請の代行も承っております。

また「見積もり依頼の前に、エコキュート交換についていろいろ相談したい」「どんなエコキュートを選べばいいのかわからない」といったご相談ももちろん可能です。

エコキュート交換に関する様々な疑問や不安な点がございましたら、お気軽に「キンキュートー」までお問い合わせください。

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